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=冷静に行動するには正確な理解を=

福島第1原子力発電所の事故、かなりひどい状態になってしまいましたね…。
1,3,4号機の原子炉建屋が爆発してしまい、2号機原子炉格納容器からの漏洩や、3,4号機からの使用済み核燃料プールからの白煙などで放射性物質が放出されてしまいました。

この放射性物質が、屋内退避指示が出ている原発の周囲30kmよりも離れた福島市で観測されたことについて、
色々報道がされていますが、どうも納得いく説明でないことも多いです。


まず、よくある混同が「放射能」「放射性物質」「放射線」の違いです。
放射線とは、電離作用(原子の電子を弾き飛ばすエネルギー)を持つ粒子線、あるいは電磁波のことで、
高速で飛ぶヘリウム4原子核であるα線、高速電子のβ線、波長の短い電磁波であるγ線が代表的です。

放射性物質とは、放射線を放つ放射性同位体、
放射能とは、放射線を放つ能力のことです、
(たとえば、ヘリウムにも、原子核に陽子が2個、中性子が2個あるヘリウム4のほかに、陽子は2個ですが、中性子が1個のヘリウム3があります。このように、原子核の中の陽子の個数が同じなのに、中性子の個数が違うものを同位体といいます。
同位体は安定なものが多いのですが、ものによっては不安定なものもあり、こういったものは別の原子に崩壊しながら放射線を放ちます。)

放射線は、原子にぶつかると、その周りを回っている電子を弾き飛ばしてしまいます。
これが化学結合を破壊することで人体や材料に影響を与えます。

放射線は常に核融合を繰り返す太陽や、地球上の天然放射性元素(ラドンなど)から常に放射されており、
過度に浴びることが泣ければたいした問題にはなりません。
DNAには損傷を検知し、自動修復する機能があるため、それを上回る勢いでDNAの損傷を起こさなければ自然に修復されます。また、損傷が過度になった場合でも、DNAは異常を検知し、発ガン前に自動的に細胞の自殺を行う機能があるため、発ガンにいたるのは限られた場合のみです。

被曝というとなぞめいた雰囲気を与えますが、実際には放射性物質という「モノ」(気体・液体・固体微粒子など)が体の表面や、体内に入ることによって、そこから発生する放射線が人体に影響与えるわけです。
放射性物質を吸い込まないようにする、あるいはよく洗い落とすことで被曝量を減らすことが出来ます。
現時点では避難・退避エリア以外ではたいした問題になる量ではないようですが、気になる人はそういう対応でも効果があるのでパニックにならないようにしましょう。



あと、各放送局・新聞が「最高の放射線量」とか「ある時点での放射線量」しか報道しませんが、
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103160186.html
大切なのは「累積で」どれ位の放射線を浴びたかです。
たとえピークの値がレントゲン一回分と同じくらいだとしても、それが一時間で収まり、そのあとまったく一年間ずっと感知されなければそんなにあわてる必要もありません。

たとえば、昨日東京、日野で放射線レベルが上昇しましたが、

xe0171614_18143454.jpg
このように、ピークが高くても、あまり継続していなければたいした問題ではありません。


というわけで、ピークの値はたいした問題ではなく、「一時間あたりの放射線量(μSv/h)」を時間積分した値(=グラフの面積=平均毎時放射線量×継続時間)が大切なんです。
これについては報道機関はあまり関心が無いのか、継続的なデータが無かったので、福島県のモニタリングポストの値をこの方が集計したデータを見てみました。
http://plixi.com/p/84349337

x2_5071199.jpg

このグラフを見ると、一時間あたりの放射線の量(μSv/h)は平均で約20μSv/h です。
今のところ、一日のうち約20時間にわたってこの値が持続していますので、放射線量は400μSv/日になります。

一般人が一年間でさらされて良い放射線の量は1000μSv/年,
放射線業務従事者が一年間でさらされて良い放射線の量は50000μSv/年と定められています。
なので、この値が仮に125日続いても放射線業務従事者と同レベルです
もちろん、この値は余裕を持って設定されている値です。

また、急性放射線障害は250mSv=250 000μSv以下では起こらないと言われているようです。
これは積算値だけでなく、その線量を一度に浴びたかにも関係するようです。
これは、放射線による損傷を自然治癒で修復できるためと思われています。
慢性放射線障害については、そのほかの要因と放射線の害、どちらが障害の原因か、統計的にはっきりしない点があり、いまだに議論されています。

そういうわけで、結論としては
1:過度に警戒する必要も無いが、こんな状況が何年も続くとちょっとまずい。
2:気になる人は家に入る前に服をはたいておくだけでもマシかも(花粉症対策にもなりますね)

という感じです。

この機会に高校でならった物理をもう一度思い出してみるのもいいかもしれません。
意外と「そういえば習ったなあ」ということが多いかもしれませんよ。

PS:実験系の人は実験防災教育でこういうことを習いますが、私自身の専門は核物理・放射線生理学ではありませんので、気になることがあったら公式な機関のサイトなどで調べてみるといいと思います。

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ポポポポ~ン、ACのCMの代わりにこれを流したい。

こんばんは。この様に数値とグラフで解りやすく解説されており、内容的にも面白い記事ですね。私は工業高校だったので、科学と音楽と美術の科目が無かったのでその分野は中学生レベル以下ですが十分理解出来ました。でも女の子は最初の50文字あたりで読むのをやめたと思います(笑)。さて、景品でもらった目覚まし時計の電池の消耗と精度の悪さに嫌気がさしたので電波式の目覚ましを買って来たら受信しないんですよ。原発の避難地域にあたるので、おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は停波中なんですね。

それがなぜか…

>電波式の目覚ましを買って来たら受信しないんですよ
それがですね、なぜか西日本のこちらでも、地震以降合わなくなってしまったんですよ…?もしかしたら家の構造上西側からの電波が遮断されてて、東からの電波で調整されていたのかもしれません。

地震と津波だけでも十分大きな被害なのに、さらに電力、電波時計など、意外なインフラにじわじわ悪影響が出ているのが面倒ですね…。

福島市の放射線グラフ

福島市の放射線データの図を作りました
http://photozou.jp/photo/show/1519868/72334259
ご参考になれば幸いです。

ありがとうございます

sorajinさんありがとうございます。
お~、順調に下がってますね。これは良かった…。
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